《レーシック情報》手術中に痛みを感じることはほぼ無いブログ:17/6/30
前、2ヶ月振りにお母さんが帰ってきた。
「お父さんの還暦祝いをするんだけど、来てくれる?」
お父さんの勤務地が変わって、
お母さんはお父さんと小樽へ行ってしまった。
そして、お母さんはときどき一人で小樽に帰ってくるのだ。
お母さんが戻る日…
おれは仕事で休めなそうにないから無理だと言うと、
お母さんは寂しそうな顔で家を出ていった。
おれは家で一人ぼっちになると、
お母さんには悪いことをしたなぁ…と後悔した。
沈んだ気分を吹き飛ばしたくて
おれはテレビをつけた。
司会者とゲストが楽しそうにおしゃべりしている。
その遣り取りで、
おれはゲストが司会者から電報を受け取っているのが気になった。
「そういえば、電報という手があるな!」
お父さんの還暦祝いに、
おれは真っ赤な鳳凰が羽ばたいているデザインのカードを選んで、
メッセージを添えて贈ることにした。
お父さんの還暦祝いが行われた翌日、
お母さんから電話がかかってきた。
お母さんの声はいつもより弾んでいた。
「ありがとう。電報届いたよ。
感情をあまり出さないお父さんの久しぶりの笑顔が見れたわ」
「お父さん、喜んでくれたんやな」
「当り前よ。お父さんね、メッセージを読んでからしばらくの間、
鳳凰にみとれていたわ」
おしゃべり好きのお母さんの話はいつものように脱線し、
なかなか話が尽きなかったが、
ようやく電話を切ることができた。
お母さんの声が聞こえなくなると、
今度はお父さんの姿が浮かんだ。
今頃
座敷に胡坐をかいて愉快な顔で
お父さんはビールを飲んでいるのかなぁ…
その横で、あの真っ赤な鳳凰は羽を休めていることだろう…